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ヴェデルニコフ
今日は、最近よく聞いているピアニストのご紹介です。
最近ロシア・ピアニズムに興味があって、
CDを探していたときにばったり出会いました。
アナトリー・ヴェデルニコフ。

視聴ブースで、「クープランの墓」の始めの一音を聞いた途端、胸がどきどきした。
小一時間聞いていたと思う。離れがたい音。

エネルギッシュだけど、少しも居丈高なところがなく、
強大なのだけど、どこまでもどこまでも温か。
なぜか、紫禁城が思い浮かんだ。
絶対的に大きくて、包容力があり、
シンメトリーに秩序を持って建てられている世界最大の宮殿。
人々を拒絶しているわけでも、威嚇しているわけでもなく、
昔、そこに多くの愛と戦いと策略があり、
そして多くの喜びと悲しみと憂いがありました。という感じ。
これが多くの人で作り出した建物でなく、
たった一人の人間が奏でているという点で、軽く目が回る。

悲劇と波乱に満ちた人生を送ったのに、
全然卑屈なポートレートでないのもかっこいい。
デカダンな感じで素敵です。

アナトリー・ヴェデルニコフ(ピアノ)

リスト
・ローレライ
・メフィスト・ワルツ第1番
・エステ荘の噴水
ラヴェル
・水の戯れ
・クープランの墓
フランク(ヴェデルニコフ編)
・前奏曲、フーガと変奏 ロ短調 作品18

DENON COCQ-83965

ヴェデルニコフの人生は悲劇と波乱に満ちたものだ。
1920年ハルビン生まれ、神童として活躍するが、
1936年、スターリンの粛清により両親が逮捕され、
父親は銃殺、母親は強制収容所送りという悲劇に見舞われる。
師のゲンリヒ・ネイガウスの計らいで逮捕を逃れる。
ネイガウスは、リヒテルやギレリスと並べて
「もっとも才能ある弟子の一人」として高く評価したが、
ソビエト体制に迎合せず、信念に忠実に行動したため、
ヴェデルニコフに国外での活動の機会が与えられることはなかった。
ペレストロイカ以後、ようやく国外での活動が可能となり、
イタリア、フィンランド、ドイツなどで演奏会を開く。
来日予定直前の1993年7月に死去。

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【2009/09/11 23:39】 | arts | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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