暗闇が突然途切れたと思うと、はっと日差しが戻り地上に出る丸ノ内線の四谷あたり。
静かな景色、頼りない枯枝の向こうに遠い遠い青空が見えます。 四半世紀近くも前、 高校受験のためにレッスンを受けに上京していた頃と同じ東京の青空です。 蒼が薄く少しだけ霞んでいて、 関西よりも空が遥かに、自由に感じられるんだなぁ…。 仕事で東京に来ています。受験生の生徒さんの東京での発表会。 受験前の演奏確認のため、聞きにきました。 生徒さんのいい演奏も聴けたし、他にも力のある演奏も聴け、 耳と頭を一杯使い、エネルギーが満タンにチャージされました。 発表会が終わるととっぷり日も暮れていた。 寮のあった調布駅で乗継ぎ電車を待つ。 駅前のパルコや、雑多な街のネオン、以前と変わらない街の騒音が響き胸を締めあげます。 もうあんなにわけもわからず、 悩み多い日々には戻りたくはないけれど、 ただただ必死に勉強していたあの頃の私を思い出すと、なにやら可愛らしく思えます。 神経質な顔で楽譜の詰まったカバンを肩からかけ、 手袋をして思い詰めた顔つきで電車を待っている私が、ついそこにいるような気がします。 あの頃の不器用な私がいる。 一生懸命だけど効率の悪い勉強をしている私。 今ならもう少し周りを見渡しながら、上手に時間が過ごせる気がするんだ。 だから教える仕事をしてるのかもしれないなぁ・・・。 と人気のない京王線の、窓のむこうの暗闇を見ることもなく見ながら思った。 スポンサーサイト
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