先日お茶のお稽古で、とても心に残るお話を伺いました。
茶道では「一期一会」などと同様に、 とても重要になっている考え方のひとつに、 『一座建立(いちざこんりゅう)』という禅語があります。 これは、 その「一座」に居合わせた者が、 互いに相手を尊敬し、心を合わせ、時間を共有しようという気持ちがあってはじめて、 その世界の「楽しさ」、「純粋さ」、「高さ」を生み出す事ができるという意味の禅語だそうです。 客を招く時、 亭主はできる限りのことをしてあげようと工夫します。 簡単なようで意外と難しく奥の深いことですが、 これにより招いた者(亭主)と招かれた客の心が通い合い、 気持ちのよい状態が生まれます。これこそが、「一座建立」なのです。 私が、まずとても日本的で素敵だなあと思ったのは、 この建立しようとすることが、目に見えるものでないという点です。 カテドラルや城壁など、 目に見えるものを作り続けてきた大陸文化とはどこか違う気がします。 コンサートも形のないものを共有する場所です。 特に音楽は、絵画や文学ともちがい、本当に何も残りません。 主客が心を合わせ、添わせ、心の底に見えない何かを立ち上げていく。 コンサートはまさに、「一座建立」の場所といえるのではないかしら。 お客様がただの受身ではなく、主客が一緒になって心を合わせ、 かけがえのない今のこの時間を、この場所を、 より楽しく、高く、豊かな時間として共有すること。 演奏会をそんな場所にしていきたいと思います。 そしてそのために弾き手は、 聞き手が共に、楽しみ、高めて行きたいと思える気持ちを、 ひき出す努力と準備を最大限にしていかなくてはいけないのですね。 何かとても大事なものを学んだように思います。 大きな指針が手に入ったという気分です。 だんだん材料がそろってきたなあ。 まずは、12月6日のコンサート頑張ります♪ スポンサーサイト
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